House Sitting -自然を感じることのできる家を求めてー

カナダのユーコンではHouse Sitting=ハウスシットという習慣があり、House Sittingをする人のことをHouse Sitter=ハウスシッターと呼ばれています。防犯や家の世話を目的として、バケーションなどに行く人が信頼できる知り合いに頼んでいくという習慣です。(水道が凍らないようにしたり、暖房をしっかりといれていたりという寒冷地ならではの事情が大きく関係しているのかもしれません。)

いわゆるBaby Sitter=ベビシッターの家版であり、家主さんが留守にする間、ハウスシッターが代わりに住んで家の面倒をみるというもの。どちらかというとマイホームを持たない若者向けの用事ですが、たまたま今回は友人の両親の家でハウスシットをすることになり、4、5日前からホワイトホース郊外の素敵な家に住み込んでいます。

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tNtは普段は森の中でゲル(モンゴルの住居用移動型テント)暮らしをしおり、家でありながら、現代の家とは感覚の全く違った暮らしをしています。毎晩ゲルの中で寝るときは、外でキャンプをしている延長のような感覚です。ゲル内では鳥が鳴く音や雨が降る音などもよく聞こえますし、冬にはゲル内の冷え具合で、外がマイナス何度まで下がっているのかなんてことまで分かってしまいます。森のゲル暮らしは外の世界と繋がっており、否応にも周囲の自然のことを感じる生活です。

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対照的に今いるハウスシットの家は、モダンな立派なお家。ゲルの丸い一部屋に比べて数部屋はありますし、中はきれいに手入れされており美しい家です。当然ネット環境もあり、テレビもあってNetflixなるものでいくもの映画やDVD観賞をテレビのリモコン操作でできてしまう便利さ。

そこで、いかにゲル暮らしと現代の普通のカナダ人の家暮らしが違うか考えてみました。

・トイレ 

家:様式水洗トイレ  ゲル:地面に穴をほっただけの外にあるアウトハウス

・水 

家:水道のパイプを触ると、蛇口をひねらなくても水が出てくる。
ゲル:隣の大家さんの家までソリを持ってポリタンクを引っ張っていき、タンク2つにいれて持ってくる。ゲルでは無駄遣いせずに少しずつ使う。

・電気 

家:街の電線とつながっており、スイッチひとつでOn&Off。
ゲル:母屋から延長コードで電気を持ってきており、たこ足を使っていくつかの電化製品をつなぐ状態。あまり不可のかかる電化製品は使用不可。

・汚水 
家:トイレやキッチンは下水パイプとつながっていて、自動的にタンクに流れていく。
ゲル:冬はキッチンの下には汚水ようのバケツがあり、一杯になる前に手で持ち上げて外に捨てにいく。うっかりしていると、満杯になって溢れてしまうことに。凍らない夏はバケツを取り除き、キッチン下にホースを装着。ゲルの外まで自動的に流れ出してくれる。

・暖房 
家:オイルストーブ(寒くなるとファーネスが自動で作動)。この家は薪ストーブもバックアップとして併用。
ゲル:薪ストーブのみ。これがないと寒くて生きていけない必需品。

・エンターテイメント 
家:テレビ・ネット・Netflix でいくらでも見る事のできる映画やテレビ番組。  
ゲル:読書。CDの音楽観賞。映画を見たいときは、オフィスからパソコンを持ってきてパソコンで映画鑑賞。

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現代の家はなにもかもが便利で、ゲル暮らしからやってくるとちょっとしたカルチャーショックになります。最初の日はタミーも興奮して映画を見まくっていましたが。。。2日経つとどこか居心地の悪さというか、家に慣れない自分達の不思議な感覚を味わうようになりました。もちろんtNt共に育ちは普通の家で、現在仕事用に借りているオフィススペースも現代の家の地下室です。(そこでネットが必要な仕事をして、シャワーも浴びるという形です。)ただ居住空間としての家にずっと住むのはここ15年の間でも4、5年ほどしか経験していません。つまりそれ以外はずっと山小屋やゲル、簡易倉庫やトレーラーに暮らしてきました。

就職をせずに自然体験や海外移住を目指した20代や30代の初めの若い頃は、お金もほとんどありませんでした。自然の中での暮らしやアウトドアの旅を優先していたため、借家に大金を払う気にもならなかったというのが実情です。(その流れで北海道に滞在していた3年間では、馬牧場の大家さんの山中に山小屋をDIYで作りました。水も電気もない家ですが、人が暮らしていける必要最低限なものはきちんと揃っており、今でも1年に一度は日本に帰国した際に1週間程滞在しています。)

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ただ今年で40歳になる自分と9年年上のタミーにとっては、もうそろそろゲルのテント暮らしは卒業したいところ。ガイドビジネスも忙しくなってきていますし、ガイド業に必要なアウトドアのギアや道具もどんどん増えてきています。これから若くなっていく訳ではないので、そろそろこの辺で家を買おう!そう決めた矢先のハウスシッティングでした。

楽しいはずの「現代の家滞在」でしたが、実際に行ってみると複雑な気持ちになってしまっています。ゲルに物をとりに帰ったり、ゲルのソリ犬13頭たちに餌やり当番で帰ったときには、森へいくとホッとするものです。そこに家暮らしでは感じることのできない「生命のリアル」さを感じるからでしょうか。同時にゲル暮らしの不便さや煩わしさもはっきりと感じることができ、どっちつかずのような感情の板挟みになってしまうのが正直なところです。

結論としては、「自然を感じることの出来る家」がtNtが求めているもの!ということでしょう。いつも感じていたことですが、家の中にいてもある程度外の世界を感じていたいですし、現代生活の便利な部分は積極的にとりいれていきたいと思っています。そういう理想的な家が見つかるでしょうか?今年から本格的な家探しをしようと思っていますが、目の前に自分達が求める家が現れてくれることを願っているところです。「自然を感じることのできる家と空間」これを手に入れ、tNtの次の段階へと進んでいきたい。そう思っている今日この頃です!