極北の長い冬を乗り切る

先日サマータイムが始まりました!日本では馴染みのない習慣ですが、2018年カナダでは3月11日にサマータイムが始まり、11月4日に終わります。日照時間をより有効に使うためのもので、始まりの時には夜中に時計の針を1時間進めます。この為サマータイムの初日には1時間「損をする」形になるのですが、冬時間通りに出勤すると1時間遅れることになるので、冬タイム最後の日には時間の調整の気を使うものです。

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3月に入って日照時間が段々と長くなって来ていますが、白夜に向けて夏が近づいて来ているのを感じます。極北の冬は長いもので、秋の紅葉や黄葉が8月の後半から9月の中旬前後にピークを迎えます。その後の10月中旬から4月の中旬までは冬の期間で、半年も寒い時期が続くことになります。特に12月から2月は厳冬期で、気温はマイナス30度から時にはマイナス40度まで下がることもあります。。。日照時間が短い冬至前後から徐々に冬の長さを痛感し、2月の折り返し地点では冬に対する精神的な辛さがピークになる頃です。

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長い冬を乗り切るために、ユーコンの人は昔からいろんなことをやって来ました。現在でも行われている2月のお祭りの「ランデブー」は、厳冬期に原野から街に出て来てお酒を飲んだり、踊ったりして馬鹿騒ぎをするために集まったのが始まりと呼ばれています。英語で"Cabin Fever"という言葉がありますが、直訳すると「キャビン(丸太小屋)熱」。つまり「ずっと原野で狭いキャビン(丸太小屋)にいると、外の世界に出たくてうずうずしてくる」という意味があります。街に出て来て、飲んで歌って踊ったりするとCabin Feverもなくなるようで、ホワイトホースの街ではいまでも毎年2月に行われています。ただ近代のランデブーはお祭り騒ぎというより、雪の彫刻があったり、チェーンソー投げなどの力比べのイベントがあったりなど、楽しいイベントが集まったような感じです。

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冬にはビタミンDの摂取も重要で、本来は日光から得られるものですが、日照時間が短い極北の冬にはサプリなどで補わなければいけないこともあります。個人的には極北の冬が大好きで、今までビタミンDの欠乏を感じたことはありませんでしたが、今年になって初めて買うことになりました。今年は2月になってどうも疲れた状態が続いていたため、おそらくビタミンD欠乏症になっていたのかもしれません。

この他にも、冬の間に暖かい場所へとバケーションに行く人も結構います。メキシコやハワイなど、カナダからは比較的アクセスしやすいビーチへと行きたがります。皆が暖かい場所にてバケーションをとる気持ちがようやく最近理解できるようになってきました。今までは素敵な極北の冬があるのに、なぜわざわざビーチへ行かなければいけないの?そんな風に思っていましたが、年と共に体も心も少しずつ変わって来たのかもしれませんね。。。

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今年の冬は雪がたくさん降りましたが、ここ数日のプラスの気温で雪がどんどん溶け始めています。このまま4月中旬まで暖かい状態が続くかどうかは不明ですが、気分はもう春に向かっています。白頭鷲も営巣の準備を始めていますし、春の一番の鳥のユキホオジロも昨日見かけました。自然の生き物は敏感で、夏の繁殖のために、春の到来を逃さずにきちんと準備を始めるようです。他の生き物が様々な方法で自然の移ろいを感じるように、人間も頭で考えているよりも体と心が季節の影響を敏感に感じているのかもしれません。

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残りの冬シーズンもあと1ヶ月ほど。不思議なもので、冬が終わるとなると真っ白な厳冬の世界が恋しくなります。人間の心は本当に移り気ですね。完全な春の到来までは、犬ぞりをしたり、オーロラを見たり、アイスフィッシングをしたりして楽しみたいと思います!