Category [tNt Tour] Archive

ニサトリン川カヌーキャンプ1より続く)

カヌーキャンプの楽しみは焚き火を使ったお料理の時間。焚き火用の薪は川沿いの流木で1回の食事を作るには十分の量が集まります。ガイドとして朝一番に行うのはコーヒーを作ること。パーキュレーターにコーヒー豆を入れて、火をおこしてからグリルの上にしばらく置いておきます。水はもちろん川の水で、沸かしてしまえばそのまま飲むことのできる天然水です。

コーヒーの支度が終わると朝ごはん作りに取り掛かります。tNtではある程度のメニューを決めておきますが、実際にお料理を作るときには、なるべく食材に合わせてアレンジをできるような即興性を大切にしています。今回の予定外のお料理はスモークサーモンと卵とシーフードのパエリア。ご飯やサルサが手元にあり、ランチ用のスモークサーモンも余りそうだったのでダッチオーブンで朝ごはんを作りました。焚き火からできた薪を蓋の上に乗せて作る料理は「ああキャンプやってるなー!」とうい気になります(笑)バナナブレッドとフルーツと一緒に美味しい朝ごはんをいただきました。美味しそうでしょ?

P7252330.jpg P7252350.jpg P7252341.jpg _9150848.jpg

川でのもう一つの楽しみはやはり釣り。極北には種類が少ないものの、ワイルドな川には多くの魚が生息しています。個人的には釣りが大好きなこともあって、カヌーキャンプツアー中には必ず釣りを行います。新鮮な魚を手に入れるという意味でも重要なアクティビティーです。今回狙ったのはNorthern Pikeという歯が鋭い魚で、怖い見た目に反して身は白身であっさりとしたとても美味しい魚です。パイクは流れの緩いところで待ち構えていますので、ポイントを見つけてルアーを投げると。。。やっぱりいました!大きな口を開けてルアーを追ってきます。今回はお客さんのお二人が協力して大きなパイクを釣り上げてくれました。白身は小麦粉とハーブソルトをつけて揚げ物にして晩御飯にして頂きました。
_9150934.jpg P7242205.jpg _9150896.jpg  P7242284.jpg

3日目からは川が広がりはじめ、流れも緩くなってきます。今回のコースは全長で150キロもありますので、しっかり漕いでいかないといけません。時折川がまっすぐで距離が長い部分がありますが、そんな時にはカヌーとカヤックを隣同士に寄せながら、話しながら漕いで行きます。時にはただ漕ぐだけでは単調になってしまいますので、言葉を使ったゲームなどを交えながら楽しく漕ぐこともあります。そんな間でも鳥や動物の動きや鳴き声、地上に生える植物の種類を確認しながら漕いでいますので、何か面白いものが現れた際にはゲストとシェアをしています。今回は白頭鷲や鷲の巣、多くのカワセミやホオジロガモの親子などの鳥と出会うことができました。

P7252429.jpg P7252381.jpg P7242278.jpg P7242262.jpg

朝は気持ち良い朝日を浴びて、日中はひたすら漕ぎ、夜は美味しいお料理を食べる毎日。4泊5日の川旅があっという間に時間が過ぎています。最後のキャンプ地では夕食を食べながら、川で泳ぐビーバーのペアを見ることができました。大きな尻尾を使って水を叩いたり、時には岸に上陸したりと色々な面白い動きをしてくれます。今回はムースなどの大型動物は現れませんでしたが、ビーバーやヤマアラシ、アカリスなどの小動物を見ることができました。過去にはこの川でカワウソの兄弟やカナダガンを襲う狼など、珍しい野生の姿も見ることができています。

P7252614.jpg P7252632.jpg P7252642.jpg P7252665.jpg

そして最終日はいよいよ11キロの湖越え。波が立つと大変なのが湖ですが、この日は風がほとんどない凪状態で、時折水面が鏡のようになっていました。南極からやってきたアジサシやカナダの象徴的な鳥、ハシグロアビなどを見ながら漕ぐこと3時間。ゴール地点のアラスカハイウェイの橋が見えてきました。5日ぶりに見る車の姿や大きな音に少し戸惑いを感じながらも、ゴールが近いことに胸が高鳴って行きます。

P7262801.jpg P7262774.jpg P7262780.jpg P7262760.jpg

そしていよいよゴールへ到着。無事に150キロを漕ぎ切りました!なんだかちょっとしたマラソンを達成したような気分です。その後は車に乗って再びホワイトホースの街へと戻り、久々のシャワーを浴びた後に美味しい街のレストランへと向かいました。ツアーの最初にに配っていた地図を共に振り返りながら、ツアーの思い出をを語りました。あっという間の4泊5日の原野のカヌーキャンプツアー。一生懸命カヤックを漕いだOさんとHさん、お疲れ様でした!

P7262812.jpg P7261181.jpg P7261171.jpg P7261156.jpg

Comments(0)

先週はニサトリン川のカヌーキャンプに行ってきました。大河ユーコン川の支流で、穏やかな流れのニサトリン川。ユーコン川ほどの知名度はないですが、ユーコンに住むカヌー好きな人は一度は下る川です。

ニサトリン川の魅力は川を下りながら体験する原野のキャンプでしょう。今回は全長150キロの4泊5日のカヌー下りになりましたが、人とあったのは初日に出会った4人のみ。その後は全く人に会うことなく時間が過ぎて行きます。前回降った2年前も同じような感じでした。一度川を下ると待っているのは原野のみ。。。文明を離れた体験を味わいたい人にとってはぴったりの川です。

_9150656.jpg _9150677.jpg _9150700.jpg P7242256.jpg

今回は日本からの2名のお客さんと共に川下り。70歳の元気な方と60代のアーティスティックな方とのカヌー旅です。お二人とも日本で少しばかりカヤックをしたことがあるそうですが、基本的には今回が初めてのカヌー旅です。ユーコン準州のホワイトホースを出て2時間半。アラスカハイウェイから砂利道に入り、やっとニサトリン川が見えてきました。妻のタミーが作ってくれたおにぎりを食べたのち、いよいよ出発です。カヌー1台に大量の食料とギアを積み、お二人にはダブルのカヤックに乗ってもらいます。全ての準備ができると川の流れに任せて下って行きます。

普段ユーコンは夏でも20度前後と比較的涼しい気候ですが、ここ1週間ほどはプラスの30度にまで上がる暑い日が続いています。冬にマイナス30度、ひどい時には40度になることを考えると、気温差が70度もあることになります。熱中症にならないように水分をとりながら、川の流れに任せて進んで行きました。

初日は3時間ほど漕いだところが上陸地。原野のキャンプは全く施設がない場所で行う為、荷物を降ろしてキャンプ地を自分たちで作り上げる必要があります。まずはカヌーから全部荷物を降ろし、最初にテントを建てました。お二人のお手伝いしながら、今晩の宿であるテントやベッドを作って行きます。その後はキッチン場を設けて、早速お料理に取り掛かりました。食材はカヌーに積んで全て持ってきている為、ある程度思い描いているその日のプランに沿ってお料理をして行きます。今日の夕食はシーフード・タイカレー。最初の2日ほどは凍らしておいた食材をそのまま使える為、シーフードを入れたタイカレーに南米のQuinoaという穀物と合わせて頂きました。

P7202100.jpg _9150688.jpg _9150740.jpg _9150831.jpg

夏は日が暮れない白夜が体験できるユーコンですが、7月末は夏至が過ぎて徐々に夜が戻ってくる時期です。それでも夜中でもまだ明るく星が数個見えるのみ。夕方のような状態が夜中に続き、朝になると日が上がってくるような感じです。夜の10時頃に就寝のためにテントに入った直後でしょうか。動物の遠吠えらしき音が聞こえてきます。低い声で原野に響き渡る声。。。狼の遠吠えです。アメリカ本土では激減したり、日本では絶滅してしまった野生の狼ですが、カナダ極北のユーコンには数多く残っています。ただ狼は賢い動物ですので、人間の前になかなか姿を表してくれません。現地に住んでいても年に1度見ることができるとラッキーな方でしょう。人間ではなく野生が主役の原野では、姿を見なくとも狼の足跡があらゆるところで見ることはできます。今日の狼の遠吠えは何を訴えていたのでしょう。もう1頭の狼が最初の遠吠えに反応して鳴き返していました。数度は鳴きあったでしょうか。その後は何もなかったように聞こえるのは原野に流れる川の音のみ。。。日中の疲れもあってか、それからすぐにシュラフのジッパーを閉めて眠りにつきました。

_9150755.jpg P7252477.jpg P7232116.jpg P7232122.jpg

(2へと続く)

Comments(0)

現在犬ぞりレースのYukon Questが開催されていて、1600キロもの距離を犬14頭とマッシャー(犬ぞり操縦をする人)1人で走るレースです。1600キロと言えば日本で言うと青森から下関ほどまでの距離だそうで、コースのほとんどは人気のほとんどない原野の中で、山越えも4回行います。時には気温がマイナス40度やマイナス50度にもなることもありますので、長時間の野外での犬ぞり以前に寒さに対処する方法を知っておかなくてはいけません。こうした事実だけでもユーコンクエストが「世界一過酷な犬ぞりレース」と呼ばれているのもわかるような気がしますね。

P2157240.jpgP2060529.jpgP2157146.jpgP2130690.jpgP2070279.jpgP2070837.jpgP2081384.jpgP2060997.jpg

tNtは過去にYukon Questの大会を何度か追ってみましたが、観客として見ていてもそのドラマが伝わってきます。コースには10箇所ほどのチェックポイントがあり、小さな集落に行くと犬ぞりチームの姿を見ることができます。スタート時は14頭で走っていきますが、途中で犬の調子などがよくないと判断すると無理をせずにチェックポイントで置いて行きます。ハンドラーと言われるお手伝いさんたちがレースを追って行きますので、置いて行かれる犬たちは彼らのもとに預けられます。獣医さんやボランティアさんもチャックポイントで待機しており、犬の調子を見たり大会の運営を手伝ったりしたりしていますので、その様子を見るだけでもレースの雰囲気が味わえるでしょう。

チェックポイントに着いてもマッシャーたちは十分に休むことはありません。犬の餌やりや藁を敷いての寝床作り、自分のご飯を食べたりしているうちに時間はあっという間に過ぎていってしまいます。最後にマッシャーが睡眠をとりますが、短時間の仮眠をする場合がほとんどですので、レース中は常に睡魔と戦っている状態です。ユーコンクエストほどの長距離レースに出るには200万円から300万円ほどの資金がかかると言われており、秋から冬にかけての毎日のトレーニングに時間もかなりとられます。毎日40、50キロは走るチームもいますので、相当な量のトレーニングを積んでいることがわかります。おまけにトレーニング中は訓練が優先されますのでまともな仕事ができません。大抵のマッシャーたちは夏に稼ぎ、残りの季節はトレーニングやレースをしながら細々と暮らしている人がほとんどでしょう。もちろん稼いだお金のほとんどは犬の世話やレース資金へと消えて行きます。ユーコンクエストや優勝しても賞金と必要経費が同じぐらいですので、お金目当てで行なっているものではないことは明らかです。ではなぜこんなに大変なトレーニングをして、お金をたくさん使って寒い中を頑張って走って行くのでしょう?

Andrew Pace checking gear at Dawson Finish Line.jpg_DSC6749.jpg_DSC6799.jpg_DSC6331.jpg_DSC3399.jpg_DSC6368.jpg_DSC3790.jpg_DSC3788 copy.jpg

犬ぞりレースには極北の伝統とドラマがあるからではないのか。レースを何度か追っていてそう思いました。極北が外部の世界に大きく開かれたのは1898年のゴールドラッシュ以降で、それ以前は先住民や一部の白人しか住んでいないまさに秘境と言える大地でした。ゴールドラッシュが始まってからも、金があまり採取できなくなると人はいなくなり、本格的な近代化が始まったのは第2次世界対戦の時期です。アラスカハイウェイが戦時中に建設され、そこから車社会へと徐々に変わって行きましたが、それ以前は冬は犬ぞり、夏は蒸気船やカヌーや筏で川を下るのが主な移動手段でした。車がない時代は犬ぞりがないと物資を運ぶこともできませんでした。ノームというアラスカの集落で疫病が蔓延した際に、犬ぞりで血清を運んだのは極北では有名なお話です。犬ぞりは近代化と共にスノーモービルに変わっていき、伝統的な犬ぞり自体は生活の移動手段としての役割を終え、徐々にスポーツ化して行きました。今ではスポーツや趣味として犬ぞりを行なっている人がほとんどです。

P2060658.jpgP2050100.jpgP2042115.jpgP2060053.jpgP2040403.jpgP2040246.jpgdogsled photoback cover.jpgAllen Moore Team about to leave Dawson at night.jpg

ただ今でも極北の人々の中には、犬ぞりが極北の生活に果たしてきた役割の認識、そして厳しくも美しい原野を動物たちと走るロマンが残っているのだと思います。今でも極北には人の力が及ばない大自然が残っています。厳しい冬の原野に犬と共に挑みながら進んでいくという姿が、人々の感動を誘うのではないでしょうか。今年のレースはアラスカのフェアバンクスから出発し、ユーコンのホワイトホースでゴールします。今トップのマッシャーたちは、半分地点のドーソンへ向けて走っているところです。ユーコンクエストの大会のHPでも彼らの現在地や順位が分かったりしますので、興味のある方は覗いてみて下さい。

今年はtNtツアーとしてはレースを追いませんが、ゴールのホワイトホースでマッシャー達が入ってくる姿を別のツアーの参加者たちと観戦しに行く予定です。今年はtNtとしては初めて大会に合わせてセスナも飛ばす予定ですので、空の上から原野を走るマッシャー達も見ることができるでしょう。優勝者のホワイトホースでのゴールは2月12日の予定です。誰が優勝するのかは気になりますが、それ以上にマッシャーと犬達がベストを尽くした結果、無事にゴールする姿をみたいと思っています。(2019年のtNtユーコンクエストツアーはこちら

_DSC3337.jpg_DSC1488.jpg_DSC3241.jpg_DSC1472.jpg_DSC2245.jpg_DSC2337.jpg

Comments(0)

年末年始のツアーが終わり、少し一息つきました。

今年の冬は気温差が激しくて温度調整に本当に困ります。。。

11月は−30度になったかと思えば、12月初冬は+の5度ほどまであがりました。

平均気温が−15度前後のホワイトホースにとっては、冬に+の気温まであがるのは異常なことです。

そうかと思うと年末のツアー時には−35度から−40度まで下がることに。。。

IMG_4305.jpg PC300414.jpg

こちら地元ユーコンのホワイトホースの人が「寒い」と言い始めるのがだいたい−30度前後。

−40度まで下がると学校が休みになったり、車のエンジンがかからなかったりと日常生活に支障をきたすようになります。

1本目のツアーは−40度、風も入れると体感−50度まで下がりました!

天気予報を見ていると、−50度の場合は「Frostbies in Minutes=すぐに凍傷の危険あり。」なんて恐ろしい警告まで出てきます。

DSC02689.jpg PC290255.jpg 
DSC02823.jpg DSC02762.jpg

普段このくらい気温が下がると、皆家でじっとしているのですがツアーとなるとそう簡単にはいきません。

どこまで安全にできて、どこでキャンセルをするのか。その難しい判断に迫られます。

日本からの短いツアーは毎日スケジュールがいっぱいで、いろいろこなしていかなければいけません。

氷上フィッシングに犬ぞり、スノーシューに先住民の村までのドライブ。そして毎夜のオーロラ観賞。

天気予報とにらめっこをしながら、予定を変更して安全を最優先しました。

結局は犬ぞりは−35度の中を開催。

アイスフィッシングはスケジュール変更をして温かい日に行おうと思いましたが、結局気温はあがらず体感40度以下の中で行いました。

PC300713.jpg PC310725.jpg
PC300691.jpg PC310721.jpg

お客さんのお一人が釣ってくれたニジマスが瞬時にカチコチに凍ってしまいましたが(苦笑)

宿はホワイトホース郊外のモンゴルのゲルと山小屋風キャビンに泊まりましたが。

ゲルが寒さに対応できす、最初の2晩は薪をくべても中は−5度ほど。

お陰でビールが凍ってしまいましたが、薪ストーブで温めて飲んだり、就寝時には皆さんには−18度対応の寝袋をお渡しして対応しました。

PC290307.jpg PC300407.jpg PC300370.jpg 

ガイドとしては安全(特に指や頬などの凍傷)を一番気にしましたが、参加者の皆さんは極端に下がった寒さを以外と楽しんでいてくれたようです。

旅というものが「非日常を体験するもの」だとすると、−40度、体感−50度は南極か北極にいかないと体験できませんからね。

B&Bでアラスカのシーフードを使っておいしい料理を作ってくれたり、ゲルに夜中に薪をずっとくべてくれたタミー、本当にご苦労様でした。

お陰で無事にツアーを終えることができました。

2018年末のツアーは一体どういう気温になるのでしょうか!?

(ちなみに2本目の年始ツアーは気温は−3度から−15度ほどで全く問題なしでした。たった1週間違いでこれだけの気温差、参りますね(笑))

DSC02766.jpg  DSC02760.jpg

Comments(0)

  • 1